Josh Nelson Trio (ジョシュ・ネルソン・トリオ) マスタークラス in TOKYOレポート!!!

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3/7(木) Josh Nelson Trio (ジョシュ・ネルソン・ピアノトリオ) によるマスタークラス、無事終了しました!

2019年最初のマスタークラスは、これまでになかった “アンサンブル” を意識したピアノトリオとの企画ということで、ジョシュ・ネルソン(pf)、アレックス・ボーナム(b)、ダン・シュネール(ds)という超豪華なワールドクラスのミュージシャンをお迎えしました!

Thank you for your great teaching Josh, Alex and Dan!!! We learned so many things from you all!!

平日の昼間という条件にもかかわらず、パッション溢れるシンガーの皆さんが全国から集まってくださいました。会場の南青山ボディアンドソウルは皆さんにとって憧れのお店。素敵な場所で素晴らしいミュージシャンと演奏できるということで、皆さんとっても嬉しそうでした。ご参加、本当に有難うございました

ジョシュのトリオのメンバーはみんなワールドクラスのミュージシャンですが、彼を含めてみんなものすごく優しくて、決してピリピリした変なムードを生じさせないんです。

音楽を愛する気持ちをすごく大事にして、とてもたくさんの気づきやインスピレーションを与えてくれます。アレックスもダンもプレイで語るだけでなくすごく質の良い貴重なアドバイスをしてくれました。

私(JVAJ代表 May)はジョシュと過ごした日々で、いろんな物事に対する「ねばならない」という考え方をやめることができました。価値観やアイディアを絶対に押し付けない、決めつけない、その時そこにあるものを最大限生かしていく、そういう姿勢が大好きなり、どれだけのことを教えてもらったか計り知れないです。彼と一緒にいていつも思うのが、如何様にでもできてしまう高い音楽性やスキルがあるだけじゃなくて、物事の考え方や捉え方全てがジャズらしさに溢れているということ。

参加者の皆さんもジョシュの長年のファンだというのもあって、アレンジのアイディアが出ると「待ってました!」とばかりに”ネルソンサウンド”に拍手が沸き起こります。自分ではなかなか思いつかないようなアイディアやコード進行の提案に、目からウロコでした!神は細部に宿るんだよな、といつも彼の仕事ぶりを見ては思います。

本当は彼はいつも丁寧に熟考してアレンジするので昨日のはすごくクイックなアイディアというレベルの内容だけでしたが、それでさえもとても素晴らしい提案ばかりでした。

アレックスは想像をはるかに超えて素敵なベーシストで、彼が後ろで弾いてくれていると音楽の解像度が、立体感がまるで違って来ます。ベースってこんなにも奥が深い楽器なんだ、と今まで知らなかった世界を見せていただき感動冷めやらずです。なんでも気さくに色々教えてくれ、彼が一緒に来てくれてなんてラッキーだったのだろうと、改めて感謝の気持ちです。ハービーハンコックやウェインショーター、ビリーチャイルズ、ディーディーブリッジウォーターから声がかかる理由が良くわかりました。

ダンはドラマーですが曲の歌詞の世界観や理論をものすごく知っていて、ピアニスト?っていうくらいコードのこととかもわかっていて、これまた感激でした。奥様でオペラ歌手のリリアン(彼女もめちゃくちゃ素敵な人なんです)がいつも話しているキーの設定の仕方のことなども含めて、素敵な知識や経験をいっぱいシェアしてくれました。

この3人が一緒になって曲の肝心なところをものすごいグルーヴで決めて来てくれる、そしてその時のキマり具合が、もうこちらはズドンと射抜かれたかのようにくるので、圧がすごい。しかもそれをにこやかに何事もないかのように次から次へとやってくれるんですよね。当たり前のレベル、基準がすごいところに設定されてあります。

こういう感覚は2015年にティアニーサットンバンドのマスタークラスで3日間バンドの中で何度も歌わせていただいた時以来でした。「いい人と演奏したほうがいいよ」と初心者の頃からいろんな方が言ってくださったけれど、その本当の意味があの時明確にわかったように思います。

ワークショップやマスタークラスってたくさんの人数で参加して「勉強したぞ!」っていう気分になるだけならすごく簡単です。でも本当に自分自身を成長させるためにはやはり音楽は自分自身が奏で、一緒に演奏してくれる人とやり取りをしながら肌で感じないとわからないことが多くて。私にとっての良い先生は、彼ら自身の中の基準がものすごく高いところにあって、それを決して押し付けることなく会話・演奏・立ち振る舞い、全ての中で見せてくれます。

それを見て、こちらは自分の目指す基準を随時アップデートしながら一生懸命何をしたら良いかを考えて試行錯誤を重ねるというその繰り返しをするんですが、どんな時も自然にそれをしたくなる気持ちでいさせてくれたのがジョシュでした。

最初の頃、私は彼と一緒にいる時間が貴重すぎてレッスンに行くときはできることを全部やって行く、聞かれる前に考えて用意しておく、会うたびに時間をどうやったら無駄にしないで済むかなんてことまで考えて、余計な会話をしないで一個でも多く質問しようとかしていました(笑)でもジョシュは違って、一緒にいる時間をどうやって楽しむかとかどうやったら私が自由になれるかとか、私のいいところはどんなところか、それを最大限引き出すにはどうしたら良いかとか、そういうことを思ってくれていたんだなぁと今になるとよくわかります。考えただけで泣けてきます。

JVAJのイベントでは「アメリカに自力で行くよりはずっと安い」「憧れの人に会えて一緒に演奏できることが本当に嬉しい」と、勇気を出して参加してくださるみなさんには絶対に何かを掴んで帰って欲しいと願っています。予定を調整して飛行機で来てくださった方もいらして、本当にみなさんの真摯な姿勢や素敵な選曲に、私もたくさん学び、講師陣の言いたいことをできる限り余すところなく伝えられるよう精一杯通訳させていただきました。

「いつか私も」「上手になったら」という言葉を良く聞きますが、人生は漠然といつかの何かを準備するための毎日ではなく、一歩ずつでいいから今を生きていく毎日になると、ずっと楽しいですよね。

かなりの過密スケジュールの中、ジョシュたちが貴重な機会を与えてくれ、超ハイクオリティーな演奏だけでなく、ベストの提案をしてくれたこと、それだけでなく彼らの優しさや温かさ、相手の良さを大切に輝かせようとする姿勢、全てに感動した3時間でした。

みなさま、本当に有難うございました!さてさてまた次のイベントに向かって準備を進めたいと思います!!

 

講師紹介

Josh Nelson (ジョシュ・ネルソン)  – Piano

南カリフォルニア生まれ。ピアニスト、作曲家、バンドリーダーとして活動し、ジャズの分野で多くの尊敬を集めるミュージシャンKurt Elling, John Pizzarelli, Benny Golson, Sheila Jordan, Eddie Daniels, John Clayton, George Mraz, Jeff Hamilton, Joe Chambersらと共演。誰もが知る伝説的ジャズヴォーカリストであるナタリー・コールのバンドに抜擢され6年間ツアーを共にし、その他Gaby Moreno, Freda Payne, Alicia Olatuja, Sara Gazarek, Nicolas Beardeらのツアーにも参加。2006年のセロニアスモンク・コンペティションセミファイナリストでもある。

2004年の初リーダー作”Anticipation”は高い評価を受け、続いてリリースされた2007年の”Let it Go”はJazz Times、All About Jazz、Jazz Review等のジャズ誌でも認められ、人々に幅広く知られるきっかけとなった。2009年リリースの“I Hear a Rhapsody”では映画音楽、ポップスと7つの印象的なオリジナル曲を収録。SFからの影響を色濃く感じられる2011年の”Discoveries”は、Joshがリーダーを務め、ビデオ、パフォーマンスアート、照明とインスタレーションといったマルチメディアを彼のオリジナル曲と合わせて上演する「Discovery Project」が始まるきっかけとなった。

2015年にはNASA/JPLの壮大なビデオ動画にインスピレーションを受け、火星をテーマとした作品“Exploring Mars”を発表。2017年の最新作 “The Sky Remains”はJoshからロサンゼルスへのラブレターとなっている。Discovery Projectの3作目である本作において、Joshは彼のホームタウンであるロサンゼルスの秘宝とこれまで日の目を見なかったストーリーを明らかにし、詩の朗読と音楽を説得力のある形で見事に調和させている。

現在ロサンゼルスでもっとも人気を集める注目のピアニスト。

Josh Nelsonのインタビューはこちら:  https://jazzvocalalliance.com/josh-nelson-interview/

 

Alex Boneham (アレックス・ボーナム) – Bass

AngraJazz Festival – Billy Childs Quartet, Angra do Heroismo, Terceira, Portugal – October 5, 2018

オーストラリア、シドニー生まれ。多彩で絶え間のないクリエイティビティーが評価され同世代で最も人気のあるベーシストの一人。

オーストラリアのみならず、イタリアのローマ、米カリフォルニア州ロサンゼルス等、ワールドワイドに活躍。グラミー賞を14回受賞したハービーハンコックと共に、インターナショナルジャズデーの日にホワイトハウスでオバマ夫人のためのコンサートで共演し、ハービー、ディーディーブリッジウォーターのモロッコツアーにも参加。ハービーとウェイン・ショーターのプレイボーイジャズフェスティバルのサイドマンとしてハリウッドボウルで演奏した。

世界中で最も入学することが難しいセロニアス・モンク・インスティテュートでジャズを学び、30作を越えるレコーディングにも参加。これまでに Bell Awards Young Jazz Musician of the Year (2012), オーストラリアのNational Jazz Awardsで2位等、多数の賞を受賞。アル・ジャロウ、クリスチャン・マクブライドらとの共演でも知られている。

Dan Schnelle (ダン・シュネール) – Drums

ロサンゼルス近郊で最も人気のドラマーの一人。それぞれのパフォーマンスに必要な音を優れた直感で鳴らすことができ、共演者が心地良く演奏しながらも、常にそのサウンドに驚きや興奮をもたらすことができる稀有な存在である。タイムを維持する役割を持つということに飽き足らず、ドラムの持つ多様な音色の可能性やアイディアを追求し、様々な音楽的な場面においてこのユニークな楽器を味わい深く、かつ印象的に奏でる。

ロサンゼルスのベストミュージシャンたちと、プロとして、またクリエイティブなチームプレイヤーとして自身の音楽的能力を最大限に発揮し、継続的に活動している。主な共演者はJosh Nelson, Daniel Rosenboom, Anthony Wilson, Laurence Hobgood, Walter Smith III, Joshua White, Sara Gazarek, Larry Goldings, Philip Dizack, Dayna Stephens, Larry Koonse, Ben Wendel, Nick Manciniらが挙げられる。

企画運営、日本語同時通訳はMay Okitaが担当させていただきました。有難うございました。