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北村 嘉一郎さんのインタビューをお届けいたします!
プロフィール
KAICHIRO KITAMURA
北村 嘉一郎 / Kaichiro Kitamura / a.k.a Kai Kitamura
ジャズ・ボイスパーカッショニスト。
幼少よりピアノに親しみ、早稲田大学教育学部在学中の96年、プロアカペラグループ「TRY-TONE (トライトーン)」にオーディションを経て加入、以降、2007年まで11年にわたりバリトンとして活躍した。 2008年からはソロアーティストとして独立。
「納谷嘉彦(pf)」、「クリヤマコト(pf)」、「里見紀子(Vln)」などのグループを経て、2010年からは「ギラジルカ(vo)」、「矢幅歩(vo)」、「Marie (vo)」、「鈴木よしひさ(Gt,Key)」などのグループでも活躍。2015年11月からはアカペラでの活動も再開し、矢幅歩が率いるジャズアカペラグループ「鱧人」のメンバーとしても活躍している。 一方で、海外のアカペラグループとのコラボレーションも、2013年頃より日本国内での活動と並行してスタート。 まず、2013年には世界最高峰と評されるスウェーデンのアカペラグループ「The Real Group」の来日記念盤にゲストとして録音参加。
そして、2015年にはオーストラリアを代表するコーラスグループ「The Idea of North」とジョイントライブをシドニーとアデレードで敢行。翌2016年3月には、彼らの最新アルバム「Ballads」のうち3曲に録音参加し、直後の5月にその発売記念コンサートとして、オーストラリア国内でのツアーにスペシャルゲストとして招聘される。 約1ヶ月にわたり、タスマニア、メルボルン、ブリスベン、ウロンゴンなどの都市で演奏した。これらのコンサートの成功を受け、The Idea of Northの「準レギュラー」として、サポートメンバーに抜擢される。同年12月には、再びオーストラリアを訪問し、同グループのメンバーとしてメルボルンシンフォニーオーケストラとも共演。ボイスパーカッションでは前例のない、フルオーケストラでのリズムセクションを担当した。
2017年にはThe Idea of Northとの活動が本格化。4月には中東のカタールを初訪問。そして、ドイツ国内での国際アカペラフェスティバルに公式ゲストして演奏し、大変に大きな反響を得た。そして、これらの成果を受け、同年秋より、正式メンバーとして加入することが発表された。
楽器に並ぶクオリティーと音楽的な表現力、そして、豊かな演奏、特に、吸うスネアを基本にしたバランスのとれた奏法が持ち味であり、ボイスパーカッションのモデルの一つとして世界的に高い評価を受けている。 一方、インストラクターとしての実績も多く、アカペラ関係を中心に国内のみならず、韓国、台湾、香港、マカオ、中国など海外でも講義を行い好評を博している。2011年からは台湾に本部を置く国際アカペラNPO法人「Vocal Asia(ボーカルアジア)」の「日本代表」にも選任。後進の育成やアカペラを通じた国際交流/相互理解の推進にも力を注いでいる。
■船橋市民文化創造館ワークショップ「ボイスパーカッション講座」講師(2011年)
■「金沢アカペラタウン」イベントアドバイザー(2011年~)
■「夢・ねりまアカペラコンクール」、「金沢アカペラコンクール」審査員(2012年)
■千葉市文化振興財団「ボイスパーカッション講座(5回シリーズ)」講師(2012年9月~11月) ■「Vocal Asia 国際アカペラフェスティバル ミュージックキャンプ・ボイスパーカッション講座(台湾・中国・韓国)」講師(2011年~)、
■「St.Paul’s Co-Educational College(香港)」サマーミュージックコース講師、「香港国際アカペラコンテスト」審査員(2013年)
■熊本県天草市「天草ロマンティック海道~アカペラコンサート」企画アドバイザー(2013年~)
■山梨県河口湖町「甲州アカペラサミット」企画アドバイザー(2013年~)
■香港国際アカペラコンクール審査員(2013~)
ディスコグラフィ
(画像をクリックしていただくとAmazon.co.jpストアをご覧いただけます)
WijiN / 鱧人-HamojiN- (2017)
℗© Oasis Records
Ballads / The Idea of North (2016)
Universal Music LLC, ℗ 2016 The Idea Of North, under exclusive licence to the Australian Broadcasting Corporation © 2016 The Idea Of North
A WORLD OF CHRISTMAS / The Idea of North with the Melbourne Symphony Orchestra (2017)
Universal Music LLC, ℗© 2017 Australian Broadcasting Corporation
北村 嘉一郎 インタビュー
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ジャズを歌い始めたきっかけは何ですか?
二十歳(大学2年生)の時に、キャンパス内の通路でアカペラを歌っている人がいて、自分もアカペラサークルに入り、一緒に歌うようになりました。
翌年、サークルの卒業生でプログループである「Try-Tone」がメンバー募集をしていると聞き、オーディションに応募して、メンバーに。 ジャズグループだったので、ハーモニーからリズムまでいろいろな勉強をすることになりました。
- これまでの活動で苦労したことやその解決策を教えてください。
最初の5年間はプログループのメンバーとしての基本をいろいろと教えていただいたのですが、なかなか身につかずに苦労しました。
ハーモニーも素人時代とは比べ物にならないくらい難しいレベルのもので、自分はバリトンで、テンションノートが多くあり、 どうやったら自然に響くのか、試行錯誤が続きました。
発声もやり直し、ピッチ感の修正など、直すところがいっぱいだったんです。 とにかく練習たくさんして慣れるしかなかったですね。
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どのようにジャズを歌う勉強を重ねてきましたか?
グループは定期的に営業やライブなどのステージがたくさん入っており、それに向けてレパートリーが決められて、それを覚えないといけませんでした。
都内に専用の練習スタジオがあったので、そこでの合わせ(週に4回)を中心に、ひたすら歌って、先輩から指摘されて直してを繰り返していました。
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ジャズを歌うことのどんなところが好きですか?
自分はメロディーを取るよりも、ハーモニーの下のパート(バリトン)を取ることが多かったのですが、ジャズハーモニーは響きに奥行きがあり、全員が1発で和音を決めた時の臨場感がたまらなかったです。
ただ、テンションノートがバリバリのコードよりも、意外にも、最後の和音がユニゾンで終わるような曲がとても印象に残り、しかも、その和音が一つに決まった時は、なんとも言えない満足感があります。
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自分の歌の良さはどんなところだと思いますか?
人からは優しい歌い方だと言われます。
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健康管理のために日頃、どのようなことに気をつけていますか?
毎週水曜日の調布市総合体育館での「中上級スイミング教室」は、自分が健康でいられる秘訣だと思います。
水泳は肺活量の維持や、呼吸のタイミングが制限されるところが、歌やボイスパーカッションの息に通じて来るんです。
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もっとも尊敬するアーティスト、お気に入りの作品は?
たくさんありすぎてかけないです。
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あなたにとってのジャズとは?
聞いていてワクワクします。リッラクス要素も。
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アーティストとして将来の目標や今後の抱負などお聞かせください。
今年の秋からオーストラリアのアカペラグループThe Idea of Northのメンバーとして加入することになりました。 すでに通いながらいろんなコンサートをやっていますが、移住が決まったら、本格的に世界的な活動をしていきます。
いずれは来日公演があるといいなとおもいます。自分が来日アーティストになるのも夢ではありません(笑)
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エデュケーターとして教え始めたきっかけは?
アジア規模のアカペラ愛好団体「Vocal Asia」の発足時に、自分が日本の代表として選ばれ、第一回の大会から講師として参加しています。 この頃から指導が本格化して来ました。
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エデュケーターとしてはどんなトレーニングを積みましたか?
アカペラの指導者として、韓国光州教育大学で開かれた教員を対象とする「アカペラ教育指導法講座(5日間朝から夕方までのプログラム)に参加、修了しました。ワークショップなどで指導経験を積んでいます。
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ロールモデルにしているエデュケーターやメンターは誰ですか?
Vocal Asiaに毎年招聘されるが外国人アーティストは、自分にとってとてもメンターだと思われます。
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エデュケーターとしての活動で一番大切にしていることは?
教えることに比重をおかずに、あくまで演奏家としての仕事をメインにして、その傍に指導の仕事をするようにしたいです。
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自分のレッスンの良さや、ユニークな点はどんなところですか?
間違っても怒らないこと。自分がボイスパーカッショニストなので、必要な時には一緒に演奏するということ。
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生徒さんを教えていて最も幸せを感じるのはどんなときですか?
みんなが楽しんでいるのがわかった時。
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エデュケーターとして将来の目標や今後の抱負などお聞かせください。
細く長く教えていきたいとおもいます。
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最後に、ジャズファンのみなさん、他のシンガー・ボーカリストのみなさん、またはJVAJの活動へのメッセージをお願いします。
アカペラでジャズというのも中なか奥が深いものです。ぜひ聴いてみてください。