Tierney Sutton Masterclass in TOKYO 2018 (ティアニー・サットン・マスタークラス2018) レポート

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Tierney Sutton Masterclass in TOKYO 2018 (ティアニー・サットン・マスタークラス2018) レポート

2018年9月17日(日・祝) 16時から下北沢ハーフムーンホールにて開催されたティアニー・サットン・マスタークラスについてご報告します。

約4時間半に渡る長丁場となりましたが、無事に終了しました!ご参加くださった皆さま、ティアニーさん、ピアノの山田貴子さん、通訳の中島小百合さん、どうも有難うございました!!

I bet lots of singers who attended today never had such an incredible Jazz educational experience… and it was more than I was expecting…
THANK YOU TIERNEY, Takako Yamada, Yuri Nakajima, and ALL OF THE SINGER FRIENDS!!!

この日は16時からだったのですが、会場の準備がある程度整ったところでティアニーさんが受講者一人一人の話をカウンセリングのように聞き始めました。そのまま流れるようにスタート。みんなに共通するテーマを見出しながら、おそらくこれまでずっと日本で勉強していた方にとっては驚くようなエクササイズや視点を次から次へと惜しみなく渡してくださいました。

帰り際にはこんな経験今まで一度もしたことがなかったと言いながら涙する方もあちらこちらに。人生が変わったというくらいに感動してくださった方もいて、本当に開催して良かったと思いました。機会をくださった神戸モダンジャズクラブの村田さんには御礼を言いつくせません。



ティアニーさんが教えてくださったこと

自分のレパートリーと自分自身の声に対して愛を持って取り組むためのお話、それをどう人に届けるか、日本語と英語で異なるプレースメントの話や母音、子音の扱い方、ティアニーのピアニシモのロングトーンを支える技術とその練習方法、ジャズを歌うことはとても精神面の衛生、心が良い状態であることが大事だというお話、日々の生活態度や心がけ、クリエイティブかつマインドフルであるためのお話、教え子であるグレッチェン・パーラートさんと最初に出会った頃の話、偉大なシンガー達の作品と向き合うことと自分らしい声で歌うことについて、などなどなどなど。

各受講者さんの歌についてフィードバックしながらものすごくためになるお話が・・・もうここには書ききれないくらい出てくる出てくるという感じでした

ティアニーさん、1秒たりとも聞き漏らしたくないくらいの素晴らしいメッセージの数々と、それぞれの生徒とジャズへの愛を有難うございました。彼女の性格もあって、例を挙げて楽しく説明してくれるから、何度もみんなで爆笑しつつ、いつの間にか内容はどんどん掘り下げられていきました。

ティアニーさんが正確に狙った音を、自分の体がもっともよく響くところにピンを打ち込んでいくかのように奏でるのと同様、それぞれの生徒の心にどんな言葉が刺さるのかを、繊細かつ大胆に、そして瞬時に選んで、思いやりを持って伝えてくださいました。それができるのは彼女がこれまで向き合い積み重ね、リスクを冒してチャレンジする生き方をして来たからこそ。それこそジャズだということですよね。

そして学ぶ側の皆さんも、本来なら人前で話したくないようなことも心を開いて打ち明けてくださり、真摯で、誤魔化そうとする人が一人もいないことが伝わってきました。レベルや経験値の問題ではなく、心の持ちよう。教える方も習う方も真剣でなければこういう質の学びは得られないので、本当に素晴らしい参加者のみなさんが全国から集まってくださったことに感謝しております。

参加者の皆さんのコメント

受講された方がMayのFBにたくさんコメントを寄せてくださったので、匿名でご紹介させていただきます。

Hさん
まだ、ジャズボーカルを初めて日が浅く知らないことだらけなんですが、夢中になって取り組んでいます。JVAJの皆さんのおかげで素晴らしいワークショップに参加できて本当にありがたいです。ティアニーさんに生で会って自分の声についてアドバイス頂けるなんて夢みたいですね。みなさんと学んだことを今日からいかせるように精進していきたいと思います。本当にありがとうございました。
Mさん
ティアニーさんのクラス、感動の連続でした。こんなにも相手の良さをひきだせる事が出来る指導者はすごいと思いました。自分の思いや迷いを率直に話せた事が嬉しかったです。ティアニーさんの声を前に出さなくちゃいけない 大きな声を出そうとするのではなくというアドバイスは心に、しみました。そしてこのようなクラスを企画 運営して下さる皆様に心より感謝します。これからもよろしくお願いします。
Mさん
メイさん、ユリさん、貴子さん、そしてトモコさん❤️いつもありがとうございます❣️大好きなティア二ーさんに教われるなんて本当に夢の様でした。そして模範で歌ってくださったmy romanceに堪えきれず、ダーッと涙止まらず、嗚咽してしまいそうなところを自分をコントロールするのがめちゃくちゃ大変でしたー😅💦そして頂いた修了証、本当にテンション上がります!嬉しい❤️❤️
Yさん
この度はどうもありがとうございました😌
本当に貴重な時間でした。
メイさんは、もちろん、さゆりさん、貴子さん、お手伝いくださってた皆様に心から感謝です。大ファンでしたから、本物だ!と思っただけで、心臓飛び出そうでした。
また、是非、tierneyさんのワークショップ受けれたら…と思います、どうぞよろしくお願い致します‼️
練習頑張らなきゃです♫
Mさん
本当にすべてにおいてクリエイティブな体験でした。音楽をやることが日常になっていて、その時その時は真剣なつもりでも、なんとなくこのくらいでいいかなみたいになってた部分に、喝を入れられました。音楽をできることの幸せをかみしめて、一音一音の大切さを逃さず表現していきたいと思いました。参加されたみなさん、真摯に自分の音に向き合っていて、素晴らしかったです。また指導者としての面においても、ここまでクリエイティブにできるのかという驚きに満ちた時間でした。いまはオンラインの講座もいろいろあって便利になりましたが、こういうことはやはり生でないと得られない体験ですよね。
そして何より生ティアニーさんの歌声。今回都合でライブに参加できなかったのがほんと残念でしたが、会場でティアニーさんの歌をたくさん聞けて、参加者の方と一緒に歌っていただいて(ティアニーさんとデュエットなんて超ぜいたく体験ですよね。わたしもやりたかったー)何度も涙腺が緩むのをぐっとこらえてました。ピアノのたかこさんの私たちに優しく寄り添ってくれる演奏もすばらしく、とてもうれしかったです。
JVAJの皆様、中島様、いつも素晴らしい「真剣学び場」を作っていただき心から感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

最後に

アメリカの良質なアカデミックレベルのジャズ教育がやっと東京で受けられるようになったなぁと、感慨深いです。JVAJを設立してからのこの3年間が、着実に積み重なり将来に繋がっていくことを感じています。

シンガーのお友達が日本中にこのように増えて、みんなで励ましあいそれぞれが輝ける方法を探していけるようになった、そのことが何より私にとって本当に幸せなことです。重ねて御礼を申し上げます。

JVAJ代表 メイ・オキタ

ABOUTこの記事をかいた人

May Okita

ジャズシンガー&精神科医。2019年シアトルのオリジンレコードから1stアルバム「Art of Life」にてデビュー。全米・ヨーロッパを含む100以上のラジオ局でオンエアされ、ダウンビートマガジン(米)、ジャズジャーナル(英)を含む国内外の雑誌で「心洗われる歌声」「高い感受性による歌唱にいつわりのない心を見ることができる」と高評を得る。同年7月にはロサンゼルスの人気ジャズクラブFeinsteins’ at Vitello’sに出演。4年間のLA留学中にSara Gazarek, Michele Weir, Cathy Segal Garcia, Cheryl Bentyne, Tierney Suttonらに師事。Jazz Vocal Alliance Japan代表としては世界中のジャズミュージシャンとの交流を深め、情報交換や教育の場を創る活動を継続的に行なっている。