シェリル・ベンティーン マスタークラス(Cheryl Bentyne Master Class) in TOKYO 2018 終了レポート

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Cheryl Bentyne Master Class(シェリル・ベンティーン マスタークラス) in TOKYO 2018 hosted by Jazz Vocal Alliance Japan

こんにちは!ジャズヴォーカルアライアンスジャパン代表のメイ・オキタです。

2018年8月26日(日)にアメリカを拠点に世界中で活躍し続けるマンハッタントランスファーのソプラノ、シェリル・ベンティーンさんのマスタークラスを開催いたしましたのでレポートします。

全国各地からご参加くださった10名の受講者、約50名の聴講者の皆さんとともに、朝から夜まで丸一日、たっぷりとシェリルさんからジャズヴォーカルの真髄について学びました!

朝4時起きで新幹線に飛び乗ってくださった方、飛行機ではるばる四国・九州からお越しくださった受講者の方もいらっしゃいました。大変だったと思いますが、十分その価値がある1日となったのではないでしょうか。

11:00から休憩を挟みながら計7時間弱のレッスン。その後、希望者のみのアフターパーティーもありましたので、非常に長丁場でした。みなさま本当にお疲れ様でした。
ここで全てをお伝えすることはできませんが、記録を兼ねて、綴ってみたいと思います。

HOUR1: レクチャー・目標設定

シェリル先生が、生い立ちからシンガーとしてのこれまでの彼女の歩み、40年以上マンハッタン・トランスファーのソプラノを務め世界中を旅しながらパフォーマーとして活躍してきた上で今歌に対してどのような想いを持っているのか、など、レクチャーをしてくださいました。

特に印象に残ったのは、歌というものが人生の一番中心にある、けれどもその周りには、自分の愛する家族がいたり、大切な友人がいたり、結婚、出産、や健康状態を含めてライフイベントの全てのことが同心円状になっている、というお話。

全てのことが互いに影響しあっている、だから、自分を認め、受け入れ、大切にする、そして人の意見に耳を傾ける姿勢を忘れず学び続けることが大事だと。

そして以下のような素晴らしい言葉もくださいました。

Being a singer is just understanding, appreciating and embracing who you are as a person.

It’s being forgiving of yourself, loving to yourself and be open to hearing advice and being able to be taught.

シンガーであるということは、自分がどのような人間であるかを理解し、その良さを認め、受け入れること。自分を赦し、愛し、人の意見を聞き、学ぶ心を持つということ。

Be the purpose of what you want to be.
Be true to your heart.
You must follow your passion.

なりたい自分を持つこと。
心に正直であること。
パッションに従うこと。

中でも、パッションは一番大事!と熱弁してくださいました。

他にも忘れがたいお言葉をたくさんいただきました。

このレクチャーで、会場にいたシンガー全員の心が一つになり、チームのようになったのです。

そして、受講者が一人一人、自分の心にフィットする選曲で歌い、目標を定めていきます。

HOUR2: エクササイズ

ブレスについて、実際に体のどこに意識を払い、筋肉の緊張や弛緩を感じながら息をするか、そして余計な力を抜くための方法などを教えてくださいました。

発声については特に5つの母音におけるプレースメントについて集中的に説明してくださり、実際に受講者全員で取り組みました。

そして歌詞をつけないでどんな練習をすると良いプレースメントを維持できるのか、そのやり方も伝授してくださいました。

シェリルさんの、上から下まで全ての音域で、どんな歌詞を歌っている時にも美しく繋がる発声には、秘訣があったんですね!!

HOUR3: リスニングと分析

先生が用意した音源をみんなで一緒に聴き、フレージングから、声のトーン、プレースメント、ブレスコントロール、歌唱スタイルなどを分析しました。

シナトラ、アニタ・オデイ、カーメン・マクレエ、ビリー・ホリデー、からアル・ジャロウまで、幅広く、リズム、フレージング、表現力など、偉大なシンガーの録音を聴くときに先生の視点について教えてくださいました。

その後、それらの視点を持った上で各生徒が歌い、実践していきます。

HOUR4: ストーリーを語る

受講者が各自1曲を選び、その曲のストーリーを話します。自分とその曲の関係について、なぜその曲を選んだのか、なぜその曲が好きなのか。

先生は瞬時に受講者一人一人の良さを見つけ、ポジティブかつ、的確な意見をくださいます。

ここで、受講者の皆さんが本当に自分の心に正直に、想いを打ち明け、心をオープンにしてくださったことがこのマスタークラス全体の成功につながったと確信しています。

全員が歌詞を語り、その後、もう一度歌われた時の進化ぶりにびっくり!

会場全体が熱くなる瞬間が何度も何度もあり、感動が止まりません。

HOUR5&6 ステージングとパフォーマンス

実際にMCを含めてライブのように演奏し、先生からのフィードバックをいただきました。

キーを大幅に変更したり、アレンジを変える提案などもありました。
皆さんの選曲も素晴らしく、最初の演奏と比べても、さらに心の繋がる素晴らしい演奏を聴かせてくださいました。

バークリー音大でシェリルさんが指導していた頃、ちょうどヴォーカリストの伴奏の仕事をされていた貴子さん。◯年ぶりの再会でした!そのご経験を生かし、その場でのフィールやキーの変更にも臨機応変に対応してくださって、感謝の気持ちでいっぱいです。

講師デモンストレーション

スタンダードを多めに、バッハの曲なども幅広くお聴かせくださいました。
あのシェリルさんの歌をこんな間近で聴けるなんて・・・
最後まで、たっぷり、貴重なそして美しい音楽を有難うございました!!!

御礼とごあいさつ

今回のマスタークラス、その場にいた全ての方に厚く御礼を申し上げます。

受講者の皆さんが、自分を良く見せようと格好をつけたりせず、人からどう思われるかといった自意識を捨て、本質を知りたいと真剣に思って歌いに来てくださったことがものすごく伝わって来ました。

それを50人もの聴講者(しかも全員がシンガー!)の前で偽りなく勇気を持ってさらけ出し、分かち合ってくださいました。

そして、真摯に向き合う受講者の方を応援する気持ちで、拍手で盛り上げてくださった聴講者の皆さんの優しさ、温かさ。

これらの全てのことが相乗効果になって、シェリル先生が伝えたかったこと、その深いところまで、みんなで辿り着けたように思います。

シェリルさんは、来日が確定してすぐに私に連絡をくださり、怒涛のスケジュールの中、カリキュラムの相談やその他全ての細やかなことまで本当にみなさんにとって意味のあるマスタークラスになるようにと気を配ってくださいました。

ジェットラグももろともせず、到着翌日にもかかわらずいつも通りパワフルに、楽しく、そして最後の講師パフォーマンスは大胆かつ繊細に。予定の時間を過ぎてもたっぷりと演奏をお聞かせくださいました。感謝し尽くせません。

受講者のサポートと最後のデモンストレーションで見事な演奏を聴かせてくださった山田貴子さん。

貴子さんご自身もシェリルさんの言葉を一つ一つ心に留め、大切にしてくださり、喜んでサポートしてくださいました。シンガー全員に、レベルや経験値を問わず、一人の対等なミュージシャンとして敬意を持って向き合ってくださるその姿勢に心からの感謝をお伝えしたいです。

最初から最後まで、端的に先生の意図を汲み取り、分かりやすく同時通訳をしてくださった中島小百合さん(Yuriさん)。Yuriさんのきめ細やかな配慮溢れる通訳が、私たちのイベントをさらに質の高いものにしてくださっています。

東京ジャズ主催者関係者の皆様。ワールドクラスのアーティストに国際基準のマナーで対応してくださり、ビザ申請の面倒な手続きも、アフターパーティーまでという長時間の企画も、気持ち良い対応でお引き受けくださったTokyo TUCさん。Tokyo TUCさんを紹介してくださった日本と世界を繋いで活躍する作曲家&ピアニストの宮嶋みぎわさん。

皆様に、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
本当に有難うございました!!!!!

9/2(日)渋谷NHKホールにて東京JAZZ “The Manhattan Transfer”のライブがあります。
是非お出かけください。