ジョシュ・ネルソン(Josh Nelson): INTERVIEW

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シンガー・フレンドリー・ミュージシャンからのメッセージ。第2回目はロサンゼルスを拠点に世界で活躍するピアニスト、作曲家、バンドリーダー、エデュケーターのジョシュ・ネルソンさんのインタビューをお届けいたします!

ジョシュ・ネルソン:  インタビュー

 

  • こんにちは、ジョシュ!! 3月の来日をとても楽しみにしています!
    世界を旅して音楽を演奏することをどう思っていますか?日本のどんなところが好きですか?

    また日本に行けることをとても楽しみにしています!! 日本は訪れるのも演奏するのも大好きな国です。日本の人は自分にとってとても特別な存在なんです。暮らしぶりも、なんて美しい生活様式だろう!と。

    今回は、もっと日本語を覚えようと思っています。日本の人の温かさ、食べ物、音楽、街の公園、美術館、楽しい場所がたくさんあるでしょう!しかもまだ観たことがない場所がいっぱい。今回は東京と神戸に行く予定で、すごく楽しみにしています!

 

  • あなたは素晴らしいピアニストとしてだけではなく、ナタリー・コールやサラ・ガザレクその他ワールドクラスのシンガーたちとの共演で、伴奏の名手としてもよく知られていますね。そのような素晴らしいシンガーたちと演奏し始めたきっかけはどんなことだったのですか?そしてツアーや共演を通じて、どんなことを知りましたか?ご経験や考えをシェアしてください。

褒めてくれて有難う。僕はまだ自分がビギナーだと思っているんです、本当に。8歳の頃から、人生のほとんどの期間ピアノを弾いて過ごして来たし、15年以上ヴォーカリストの伴奏をして来たけれど、自分の技術を伸ばそうといつも試みています。

ナタリー・コールとの共演の機会を得たのはとても嬉しく光栄なことでした。友達のJohnが僕のことを2008年に彼女に推薦してくれて、彼女が亡くなった2015年までの間一緒にツアーをしました。でも本当に、伴奏の基本を学んだのは、サラ・ガザレクとの共演だった(2004年から2017年まで共に演奏し録音に参加した)から、ナタリーと仕事をするまでの間に、ある程度中身の濃い経験があったように思います。

ナタリーはポップミュージックを歌っていたからアプローチはそんなにジャズっぽくはなかったのだけれど、だからこそジャズとポップの伴奏の違いを学ぶことや、彼女が心地良く歌えるベストのプレイができる方法を学べたと思います。

その他のヴォーカリストでは、Freda Payne, Gaby Moreno, Alicia Olatujaらとも演奏しています。どのヴォーカリストも違うので、異なる伴奏のアプローチが必要です。僕は、多様であることや皆それぞれユニークな声や音楽の経歴を持っているということがとても好きです!

 

  • 聴き手の年齢、文化、音楽的背景を問わず、あなたの音楽が最初の一音から人々の心を掴むことができるのには秘訣があるのですか?または、生き方や真摯で温かい人柄によるものなのですか?演奏で聞き手の心に何かを届けるためにもっとも重要なことは何だと思いますか?

僕はただのジョシュだよ。でも褒めてくれて有難う。僕は、良き人間で、思慮深くありたいと心がけているのと、それぞれの人が彼ら自身の歴史や苦しみがありながら音楽に向き合っているということを忘れないようにしています。

演奏の仕事を得られるのは幸運なことだと思います!それが当たり前のことだと思わないようにしています。特にジャズにおいては生演奏やアルバムのセールスが厳しい時代なので。

新しく、面白い方法で音楽を提示する方法を見つけ、すべての年齢層の人に聞いてもらえるよう試みています。音楽的には”半分は古くからのスタイル、もう半分は新しいスタイルを”という形のアプローチが好きです。

 

  • シンガーとの演奏で一番好きなのはどのようなな部分ですか?伴奏の時に一番大事にしているのはどんなことですか?一緒に演奏していて本当に楽しいと思うのはどんなシンガーですか?

ヴォーカリストと演奏して曲を学ぶことが大好きです。ヴォーカリストは通常、楽器奏者よりも歌詞を覚え、解釈することにたくさんの時間を費やしています。それから、曲の異なる解釈を知るのも楽しいです!それぞれのヴォーカリストがどんな風に異なるフレージング、メロディー、リズム(タイム感)を持っているのか、すごく興味があります!

May (注:インタビュワー) みたいなシンガーたちと演奏するのは楽しいよ!音楽に気持ちがたくさんこもっていて、時間をかけて勉強し練習しているし、新しいアイディアを受け入れる心を持っている、そういうシンガーが大好きです。

  •  音楽キャリアの最初の頃、どんな風にジャズを学びましたか?練習や人前で演奏するときに自分に言い聞かせていることはありますか?影響を受けた大好きなミュージシャンがいたら教えてください。

ジャズのきちんとしたレッスンは18歳から受けました。その前はもっと一般的なクラシックやポップのピアノのレッスンを受けていました。11歳からトランペットを学んで、ジャズはトランペットの方で先に演奏していたんです! ジャズは素晴らしい先生に学び、ジャズとクラシックのコンサートに行き、たくさんの録音を聴いて勉強しました。

演奏する時、音楽的にオーディエンスと繋がることを自分に言い聞かせています。聴き手がコンサートの後に、リフレッシュできたり、元気になったり、インスパイアされるような気持ちで会場を後にしてくれたらと思います。

影響を受けたミュージシャンはLeonard Bernstein, Herbie Hancock, Wayne Shorter, Hank Jones, Mulgrew Miller, Kenny Kirkland, Billy Childs, Miles Davis, Bill Evans, Larry Goldings、クラシックの作曲家Dmitri Shostakovich, Erik Satie, Claude Debussy, and many film composers like Jerry Goldsmith, Bernard Herrmann, and Russ Garciaらです。

 

  • 今後10年のピアニスト、作曲家、バンドリーダーとしての目標は何ですか?

いつだって、より良いミュージシャンになりたいと思っています!

10年後のことはよくわからないけれど、今後数年のうちに自分がリーダーでやっている“ディスカバリープロジェクト”というバンドの2018年のBluewhale (L.A.ダウンタウンにある今最も人気のライブハウス) で行ったライブレコーディングの作品をリリースしたいですね。

もっとテレビ、コマーシャル、映画の音楽を作ることも探求したいです。2019年にはより大きいスケールのオーケストラ作品や、他の面白い楽器の組み合わせでのアンサンブルの曲も作りたいです。作詞家とコラボレーションするのも好きだし、2019年には歌詞のある曲ももっと書きたいですね。

 

  • 教えることのどこが好きですか?指導者として最も気をつけていることは?そして目標は?

僕は生徒からとてもたくさんのことを学びます、そして、それが教えることの一番素晴らしい点だと思います。より効果的に教える方法を理解できるようになるし、生徒が聴いている新しい曲を知ることもできます。

指導者としての目標は音楽を楽しむことです!ピアノの技術的側面を示すことは重要ですが、一方で、多くの指導者がシンプルに音楽を奏で、創り、聴くということに十分に焦点を当てることができていないように思うのです。

僕は、生徒を美術館や自然の中の遊歩道のウォーキングに連れていき、彼らが美しいものからインスピレーションを得られる機会を作る、といったことも楽しくやっています。時々楽器から離れて、別のものから素晴らしい発想を得ることは、僕にとってとても重要なことです。

 

  • 良き伴奏者、アレンジャーを志すピアニストに、何か具体的なアドバイスはありますか?ご自身のパッション、安定した仕事のクオリティ、とてつもなく繊細かつ音楽への愛の溢れるプレイの源は何だと思いますか?

ピアニストは自分の先入観やエゴを捨ててピアノに座る必要があります。全ての音楽の瞬間は特別でユニークです。一人一人の新しいヴォーカリストの、新しい、そしてそれぞれが異なるサウンドに対して、オープンでなくてはなりません。

アレンジは具体的にアドバイスすることが難しいけれど、自分の考えを多くの異なるアプローチやテクニックで満たし、そこから自在に選べるようにすることかもしれないですね。

映画、本、カリスマ性のある人やリーダー、アーティスト、そういったもの全てが音楽において自分をインスパイアしてくれますし、他の人たちにもこういったものからインスピレーションを得ることをお勧めします。

 

  • 最後に、ジャズのどんなところが好きか教えていただけますか?日本のシンガーやミュージシャン、ジャズファンへのメッセージもお願いします。

ジャズはピープルミュージックです。それぞれの人ごとに違う。だからそっくり同じように繰り返すことができないものです!一度あったことも、次には違うものになります。ジャズはダンスやパーティーの音楽、お祝いの音楽にもなり得ます。

多くの努力が必要ですが、日本のオーディエンスのように耳の肥えた聴き手と分かち合うことで報われます! 一生懸命学び、演奏しましょう!

どうも有難うございました。

どういたしまして!有難う!

 

3/7(木) Josh Nelson Trio Masterclass in Tokyo開講!是非ご参加ください。

 

Josh Nelson(ジョシュ・ネルソン) – バイオグラフィー

南カリフォルニア生まれ。ピアニスト、作曲家、バンドリーダーとして活動し、ジャズの分野で多くの尊敬を集めるミュージシャンKurt Elling, John Pizzarelli, Benny Golson, Sheila Jordan, Eddie Daniels, John Clayton, George Mraz, Jeff Hamilton, Joe Chambersらと共演。誰もが知る伝説的ジャズヴォーカリストであるナタリー・コールのバンドに抜擢され6年間ツアーを共にし、その他Gaby Moreno, Freda Payne, Alicia Olatuja, Sara Gazarek, Nicolas Beardeらのツアーにも参加。2006年のセロニアスモンク・コンペティションセミファイナリストでもある。

2004年の初リーダー作”Anticipation”は高い評価を受け、続いてリリースされた2007年の”Let it Go”はJazz Times、All About Jazz、Jazz Review等のジャズ誌でも認められ、人々に幅広く知られるきっかけとなった。2009年リリースの“I Hear a Rhapsody”では映画音楽、ポップスと7つの印象的なオリジナル曲を収録。SFからの影響を色濃く感じられる2011年の”Discoveries”は、Joshがリーダーを務め、ビデオ、パフォーマンスアート、照明とインスタレーションといったマルチメディアを彼のオリジナル曲と合わせて上演する「Discovery Project」が始まるきっかけとなった。

2015年にはNASA/JPLの壮大なビデオ動画にインスピレーションを受け、火星をテーマとした作品“Exploring Mars”を発表。2017年の最新作 “The Sky Remains”はJoshからロサンゼルスへのラブレターとなっている。Discovery Projectの3作目である本作において、Joshは彼のホームタウンであるロサンゼルスの秘宝とこれまで日の目を見なかったストーリーを明らかにし、詩の朗読と音楽を説得力のある形で見事に調和させている。

現在ロサンゼルスでもっとも人気を集める注目のピアニスト。

 

ジョシュ・ネルソン・トリオ 2019 ライブ・コンサート情報

Josh Nelson(pf), Alex Boneham(b), Dan schnelle(ds) from Los Angeles

3/7(木) 東京  

Josh Nelson Trio マスタークラス in Tokyo (hosted by JVAJ)

 https://jazzvocalalliance.com/josh-nelson-trio-masterclass/

青山 BODY&SOUL with May Okita (vo)

https://www.facebook.com/events/1820082558114748/

東京マスタークラス・ライブお問い合わせは上記リンクよりお願いいたします (JVAJ メイ・オキタ)

Kobe Modern Jazz Club主催  Josh Nelson and The Discovery Project Trio TOUR

3/8(金) 神戸 Bar Request 

3/9(土) 神戸 中華会舘7F 東亜ホール

https://www.facebook.com/events/593767344391794/

3/10(日) 神戸 100番ホール

https://www.facebook.com/events/335949686995354/

神戸公演のチケット取り扱いは、茶房ヴォイス(担当:村田)までお願いいたします  http://www.jazz-voice.biz/

 

ABOUTこの記事をかいた人

May Okita

ジャズシンガー。精神科医。2015年、仲間とともにJazz Vocal Alliance Japanを設立し世界中のシンガーと体験や情報をシェアし合う活動をスタート。2017年春までロサンゼルスに4年間留学し現地にてSara Gazarek, Michele Weir, Cathy Segal Garcia, Cheryl Bentyne, Tierney Suttonらに師事。多くの方の人生のストーリーに触れる経験や目標設定を上手に行い行動に移し結果につなげるための豊富な知識を生かし日本のジャズシンガーがハッピーかつピースフルに活動できるための活動をしています。