Rhiannon: INTERVIEW

Rhiannon

第2回は、ハワイより、リアノンさんのインタビューをお届けします。


– 音楽は、“革新”、“癒し”、“変容”、そして“社会変動”をもたらす手段 – 

農園で暮らし、農業を通じて芸術を育むアーティスト、リアノンさんの音楽、エデュケーション、暮らしについてお伺いしました。

Rhiannon  バイオグラフィー

Rhiannon

Rhiannon

 

声の芸術家リアノンは、音楽は、“革新”、“癒し”、“変容”、そして“社会変動”をもたらす手段であるというビジョンを持つ。

女性だけのジャズアンサンブル”Alive!”、アカペラアンサンブル”SoVoSo”、ボビー・マクファーリンと”Voicestra”とのコラボレーションで、
独自のインディペンデントアーティストとしての地位を確立。

近年は、アカペラのトリオであるWeBe3やともに”Voicestra”のメンバーを25年間務めるJoey Blake and David Worm等と
活動をし、インプロヴィゼーションの演奏を洗練させ続けている。

また、
リアノンは高名な楽器奏者Abraham Laboriel、Alex Acuna、Otmaro Ruiz、Jetro Da Silva等とも”Spontaneous”というグループで活動を共にしている。両グループは国際的にツアーを行い、すべて即興によるパフォーマンスを行っている。

リアノンの人生と指導法に関する新しい本“The Vocal River”はインプロビゼーションのスキルとスピリットについて書かれており、2013年に出版された。

体全体を使った即興ボーカルと“All The Way In”と呼ばれるサウンドヒーリングプロセスは、世界各国で注目を浴びている。

1年のうち上記以外の間、リアノンはハワイの大きな島にある彼女の農園で暮らし、農業を通じて芸術を育むことに取り組んでいる。

 

インタビュー

  • リアノンさんこんにちは!
    昨年の11月のL.A.訪問について、どんなお気持ちでしたか?
    (2015.11月、LA College of Musicにてキャシー・シーガル・ガルシア企画で開催されたジェイ・クレイトンとの共同ワークショップについて)

 

日程が3日間だったのがとても良かったわ、なぜならとても深いところまで行けたから。

10人ものアメリカ以外からの生徒さんや、米国内からも60代の方々も参加してくださったのも本当によかった。

この2つのグループの人たちがミックスされたのはみんなにとってすごく良いことだったの。

そして、ワークショップが音楽学校で行われたというのも、(ドラマーやベーシストが練習しているのが聴こえた)そういった環境、雰囲気が音楽的で気に入ったわ。

ジェイと一緒に教えるのは初めてだったし、私たちはインプロヴィゼーションについて違う視点で歩んできたから、みなさんこの2つの視点を知り、何が自分にとって役に立つか選ぶことができたんじゃないかと思います。

 

  • 日本に行って歌ったことはありますか?もしそうでしたら来日のきっかけはどういったことだったのですか?日本の、または日本で歌うことのどんなところが好きですか?

 

2年前にハワイのダンサーでコラボレーターの那須シズノさんと一緒に日本に行きました。彼女は浄土宗の信徒として修行を積み、若い頃からプロのダンサーで、インプロヴィゼーションにとても興味を持っていました。

彼女は私たちを3週間の旅で大阪と北海道に連れて行ってくれ、Janne(リアノンさんのパートナー)の写真を大きなスクリーンに映し、私たちはパフォーマンスをしました。

私たちは写真に囲まれて歌い踊っていました。シズノさんのご主人、坂口登さんは日本の有名な画家で、彼の絵もスクリーンに映し出されました。 それはパフォーマンスの芸術でした。シズノさんと私はインプロヴィゼーションをしていました。

それぞれの街で出会い、即興で演奏をした音楽家のゲストもいました。北海道では私たちがインプロヴィゼーションをしている間、アイヌの先住部族4人の女性が彼女たちの伝統的な曲を歌い踊り、共演しました。

それぞれの都市で日本のアーティストたちと出会い、ステージで創造する方法を探すのは最高の経験でした。その時の私に足りなかったのは、ジャズとの繋がり。また日本に行き、もっと活動し、ジャズのコミュニティーとも親しくなりたいです。

 

  • リアノンさんの最もお気に入りのミュージシャンをご紹介してください。

 

Bobby McFerrinは私の素晴らしい先生です。
Betty Carter, Stevie Wonder, Joni Mitchell, Kurt Elling, Norma Winstone, ノルウェーのSidsel Endresen。

一流の素晴らしい女性ジャズシンガーたち。そしてLambert, Hendricks and Ross。

私はこれらたくさんのアーティストたちを最初の頃聴いていました。

それから、ホーンプレイヤーを聴きました。ビバップのリーダーたちの作品もたくさん学びましたが、それは私のお気に入りの音楽ではありませんでした。

Miles DavisとBill Evansは好きでしたね。

その次に、ワールドミュージック、シンガー・ソングライターたちもよく聴きました。Nina Simoneも好き。

カリフォルニアのベイエリア出身のベースプレイヤー、Bill Douglassだけと一緒に歌っていた期間を何年間か経験したわ。

 

  • ジャズを歌うことの一番の楽しみは何ですか?また、ご自分のスタイルのよいところはどんなところですか?

 

メロディ、ハーモニー、リズム、コードチェンジなど、美しいジャズの曲を学ぶ中で得られるトレーニングが大好きです。すごく良いトレーニングだわ。

今はもう実際にあまりジャズのレパートリーを歌うことはないのだけれど、ジャズはいつだって私がやることの一部なの。私に、独自のシンガーであるということを教えてくれたのはジャズ。あのような個性的でユニークな素晴らしい音楽を聴いたことが、私が自分の道を見つけるよう後押ししてくれたんです。

たぶんこれが、私が歌詞をインプロヴァイズする時に曲のフォームの感覚を持っている理由。

ピアノを練習している時そこには練習している曲が大量にあります。それが、私にはホームベースのようなものになっています。

 

  • ジャズボーカリストとして最も大切にしていることはどのようなことですか?

 

ジャズの伝統をリスペクトすることと、音楽とは自然といつも再生され、改革されていくものであるということ。

 

  • レコーディングについてはいかがですか?CD製作、作品作りのご経験をシェアしていただけますか?その中で何がもっともよい経験でしたか?

 

レコーディングとは別の芸術の形であることを認識すること。パフォーミングやティーチングとは違うアートの形であるということ。

私は、レコーディングはこれらの延長にあるものだと思っていました。でも、スタジオに入る時は、自分の演奏を聴くことのプレッシャーがあって、自分に何が可能かを知ってしまうことになる。

私は異なるパーツを創って繋げることもできたし、どこかに間を残すことだってできた、なぜならそれは生のパフォーマンスではないからです。

レコーディングの間、素晴らしいミュージシャンたちに出会いました。一人のミュージシャンに依頼して何か特定のことをしてもらいました。そこでは魔法のようなことが起こり得ます。Alex AcunaとAbraham Laboriel にはそうやって出会ったんです。

”Spontaneous”というグループの制作に行って、同じ名前のライブレコーディングアルバムを作りました。オーディエンスの前で、すべてインプロヴィゼーションだけで。

でも簡単なことだとは思わないわ。

録音は、とてもチャレンジングで、素晴らしくクリエイティブな経験よ。

 

  • 指導者として最も大切にしていることは?

 

私の生徒さんが自分たちの声をリスペクトし、身体をリスペクトして扱うということ。

彼らが自分の個性を探り、アーティストとしてのビジョンを実現する道を見つけられること。

そして、私は彼らがインプロヴァイズするときが大好きです、誰もがするわけじゃないから。
たとえ私と勉強しているときだとしても。

私は彼らが自分たちのやり方とパフォーマンスのスタイルにインプロヴィゼーションを融合させることができたときが大好きなんです。

 

  • リアノンさんの著書 “Vocal River”やワークショップ、マスターレベルのプログラム “All the way in”について教えて下さい。

 

私のウェブサイトを見ると、たくさんの教材や情報があります。私のメソッドや情報について書くことができるよう本を出しました。そうしないと、私の生徒さんたちがそのことを私から学ぶチャンスを与えられないと感じたから。

私は本を書くのが大好き!とても明確になるし、強くなれるんです。

“All the way in”は、私にとって、少人数のグループを1年間観察して変化や成長を見守ることができる機会です。私はこのような長期間の勉強は大学院の環境に似ていると信じているの。

彼らが仲間になりお互いに協力していく様子がわかります。 それは私にとって心の底からの素晴らしい経験です。

ぜひ来てくださいね!

 

  • Leo Nani Farmについても教えて下さい。

 

私は農園で育ち、私の妻も農園で育ちました。私たちは二人ともアーティストです。

私たちは芸術のホームとなるようなワーキング・ファームを作りたかったんです。

今、Leo Nani Farmは動いています。食物を育て、家畜もいます。

これから、様々なアートのための、特に“Vocal River”の拠点、その教育者を育てるセンターとなるようなミュージック・スタジオを建てたいと思っています。

 

  • どのように自分自身をクリエイティブに保ち、周りの人々に与えることを継続しているのか、教えて下さい。

 

農園は、音楽のツアーのあと私を回復させてくれます。

ツアーは歌うことのギフト(喜び、それを神からの特別な贈り物ととらえる)を改めて感じさせ、この地球上のたくさんの場所を教えてくれます。

なんて想像的な組み合わせでしょう:農業、教育活動、演奏活動。

私の生徒さんたちは、私の共演者たちが私をステージ上であらゆる方法で成長させようと背中を押してくれている間も(ツアーなどで不在の間も、という意味)、とても寛大な心で、継続的に進化してくれています。

そして、音楽そのものが、常に、人生のあらゆることがヴァイブしていく(良い波長をもつ)方法を探すための方法なのです。

 

  • 最後に、ジャズを愛するいちばんの理由を教えてくださいますか?日本のシンガーたちに何かメッセージをいだだけないでしょうか?もし生徒さんの中からリアノンさんを訪れたいという人が出てきたら、歓迎していただけますか?その他にも何かコメントがあればお願いします。

 

日本のジャズシンガーはまずレパートリーを覚え、それが日本人の中に息づく方法を見つけ出さなくてはならないでしょう。なんらかの形で、自分たちの文化を盛り込むよう、気をつけてみてください。

インプロヴィゼーションはそのことについて優れた先生となってくれる可能性があるでしょう。

フリー・インプロヴィゼーションでは、曲を続ける時にジャズのフォームを使いながらも、自分の文化から自分自身を表現しようとすることになるでしょう。

私は日本にまた行きたいです。インターナショナルに音楽をすることは、私たちがお互いを理解することに役立ち、私はそのことにとても興味があります。

日本の生徒さんたちはLeo Nani farmsにとっても近いです。8時間の1フライトでここに来られますよ!ぜひ来てください!

私は時々お互いを知っている少人数のメンバーでセッションをします。

ここに来て、農園の近くに泊まり、そうやって一緒に勉強することができますよ!

 

  • もしよろしければキャシーさんとリアノンさんのご関係について少し教えてください。

 

キャシーと私は、私たちのコミュニティーへの愛と、コミュニティーなしではミュージックライフを上手くやっていくことは難しいという理解によって強く結ばれています。

たった一人でジャズシンガーになる、ジャズシンガーでいるということは、大きな石を一人で丘の上に押し上げるようなものです。

私は大きなL.A.という街でキャシーがやっていることに心惹かれています。彼女は寛大に、みんなそれぞれが何かの一部であると感じられるように手助けをしています。

競争ではなく、ただ音楽への愛と、音楽シーンを創ることのパワーを認識していることが、たくさんの人の居場所となるのです。

私が自分で教え始めた理由は、競争することではなく、支えることを教えたかったからです。

Bobby McFerrinから学んだエクササイズ(練習方法)はそれぞれの人のユニークさに気づき、お互いにどのように支え合うかという内容でした。ニューヨークでは、Sheila Jordan, Jay Clayton, そしてMark Murphyがお互いを応援したり、グループコンサートを行ったり、若いシンガーたちのコンサートを観に行き、ジャズのルーツを教え、サポートしようとしていました。

私はあなたが自分を誰かと競争させなければ、そこにはたくさんの可能性があると信じています。

キャシーと私はミュージシャンであることの重要な一部分がコミュニティーだと理解しています。クワイヤー、バンド、それこそが音楽をとても楽しいものにします・・・一人ではなく、グループです。

私たちは二人とも身体がとても丈夫で、十分な長いキャリアを持っているので人々の大きなネットワークを築くことができています。スタミナが必要よ!

私はキャシーがバンドで歌うのも、Fish To Birdsという彼女のヴォーカルインプロビゼーショングループも大好きです。私は彼女がその両方をやっているところも大好き。

私は、彼女が確実にみんなの交わるところにいることをとても尊敬しています。彼女は、彼女を知る人みんなにとっての大きく輝くお手本です。スキル、スタミナ、そして寛大さ。彼女は長い間、それを持ち続けています。

ご協力どうも有難うございました!!

*このインタビューは、私たちからのお願いを受けてキャシー・シーガル・ガルシアさんが行ってくださいました。キャシーさん、有難うございました。